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2018年8月 6日 (月)

言葉を大切に 慣用句の逆襲

   つねに敗者の立場に立ちし言説をいやしきものとこの頃おもう     小高 賢『家長』
 上句「敗者の立場に立ち」もある意味では慣用的な用法です。勝者や敗者の立場に立つ、などと言っても、そんな実際の「場」があるわけではありませんが、それでもなんとなく納得するのは、慣用として定着しているからでしょう。自分を敗者の側に置いて、そこから恨みや僻みを底に潜ませた主張や言説をする。一見、無理からぬそのような言説に対する素直な疑義を呈している歌です。大切なところは、そのような立場を攻撃しているのではなく、かつては共感し、同情していたそのような物言いいを、「いやしきものとこの頃おもう」ようになってきた〈我〉というものに対する思いを述べているところにあります。
   歌はただ此の世の外の五位の声端的にいま結語を言へば     岡井 隆『鵞卵亭』
 むずかしい歌ですが、「端的にいま結語を言へば」というフレーズのインパクト、これがすべてであると言ってもいいかもしれません。この「端的に・・・・・言えば」という慣用的用法が、少しも「端的」ではない。結句のあとの、深い淵に立ちながら読者は途方に暮れて(おっと、これも慣用句!)しまうほかないのです。そこがこの歌のおもしろさでもある。
           - 永田和宏著 作家のヒント -
 今日2018年8月6日は、昨日からの大雨に因り最上川の氾濫警報が出ていました。現在、午後3時20分、各種警報が解除されてきています。
 ひと安心したところで、2015年秋のNHKラジオ、『歌の日曜散歩』の投稿採用の紹介です。お題は、和田弘とマヒナスターズと田代美代子さんが歌った【愛して愛して愛しちゃったのよ】の一節「♪あなただけを生命(いのち)をかけて」の歌詞の前に付け加わるエピソード。
〇貯金も財産も残してやれねぇさげぇ、生命保険の受取人は、かがあ、おめぇださげの。♪あなただけを生命をかけて~♪
 わが街酒田市出身の詩人:吉野弘さんが「生命保険にはいるということは、死ぬことが約束されたようなもの」言っていた事が頭に浮かびました。

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