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2018年7月13日 (金)

第三章 言葉を大切に  慣用句の逆襲

  短歌で慣用句は禁物。どの入門書でも繰り返し言われている基本中の基本でしょう。
 だいたい、仕事をやめてから歌を始めた男たちにもっとも多い病弊がこの慣用句の多用であると独善的に思っている。男社会は慣用句の世界であり、世に流通している、誰もが認める表現で用を足している。その方が効率的で安全である。そんな男社会(村社会といってもいいかもしれない)にどっぷり浸かってきた男たちが、歌を作りはじめたとして、なかなか慣用句の呪縛から抜けられないとしても無理のない事でしょう。
 大野晋、丸谷才一、大岡信、井上ひさしが共同で読者の質問に答える『日本語相談』という本がある。その中で、井上ひさしが「紋切型をどう思いますか」という質問に面白い回答をしています。「正直に申しますと、すくなくとも私は紋切型表現の支持者の一人です」と言い、
〈日常生活における〉紋切型表現の信用性を説いていますが、その最後に次のような発言がみられます。
-こういう強固な約束事で縛られて固定しかかっている人々のものの見方を変えようと努力する者たちがいます。その代表がいわゆる文学者たちで、コトバは社会の約束事でもあるという大原則をあくまで尊びながら、新しい約束事=紋切型を作りだそうと苦心しているのです。そのためのは、古くて、強くて、固定しつつある紋切型が出来るだけ多くあった方がいい。その方が仕事はしがいがある。私はそのように考えています。-
     ・ ・ ・ 以上 永田和宏著 『作歌のヒント』から ・ ・ ・

 紋切型とか定型文、私も使いがちです。ところが、憶えている語彙数が少ないため歌や文章を作ると何首、何編書いても似たようなものになりがちで反省点のひとつです。

 2015年8月30日放送分採用 『歌の日曜散歩・うたわらストーリー』から、研ナオコさんが歌った【夏をあきらめて】の一節、「♪言葉もないままに あきらめの夏~」 この歌詞の前に付け加わるエピソード
〇このお盆休みは久しぶりに4日間とまとまったものだから禁煙に挑戦してみた。ところが暇を持て余して煙草に火をつけて紫煙を眺めていた。 ♪あきらめの夏~

 あらっ、これもまたどこかで見たような文章ですね。

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